LIFESTYLE / MY AP STORIES

「いつかこの時計が似合うような 料理人になりたいですね」
レストラン「KEI」シェフ・小林圭(後編)

2020.03.29

「これまでに出あった人、料理、技術、素材、それから時計やクルマ、服などさまざまなものが僕を進化させてくれたと思っています」。
「これまでに出あった人、料理、技術、素材、それから時計やクルマ、服などさまざまなものが僕を進化させてくれたと思っています」。

日本人シェフがはじめて世界一厳しいといわれる「ミシュランガイド フランス版」で三つ星を獲得したレストラン「KEI」の小林圭シェフ。10代のころから憧れていたという機械式時計のなかで彼が選んだのはオーデマ ピゲ。なぜ彼はこの老舗ブランドの時計に惹かれるのだろうか?

オーデマ ピゲが教えてくれたもの

「ここにたどり着くまで、人生のすべての時間が必要だった」と小林圭シェフは言う。日本人としてはじめて、フランス版のミシュランガイドで三つ星を獲得した彼は、42年の人生を振り返り、「すべての出あいに感謝している」と語る。

「長野の田舎で育って、地元と東京で修行して、フランスに来てからもまた修行して、ようやくパリに店を出すことができました。これまでに出あった人、料理、技術、素材、それから時計やクルマ、服などさまざまなものが僕を進化させてくれたと思っています。10代、20代のころは、厨房にこもっていましたから主に素材や技術と出あい、それに向き合っていた。そこからは人と出あい、その数も重みもどんどん増している。オーデマ ピゲとの出あいからも刺激をもらいました。このブランドの時計は、ディテールまでこだわっていて、『いい時計をつくりたい』という職人の思いが伝わってくる。常に『いい料理をつくりたい』と思い続けることの大切さを教えてくれるような気がします」

「フランス人のシェフが技術や知識を惜しみなく教えてくれた。だからこそ僕はフランス料理をリスペクトできているんです」。
3本目は革新的モデル

3本のオーデマ ピゲの時計を所有している彼がいまもっとも愛用しているのは、「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」。傷がつきにくいセラミックを素材に採用したオーデマ ピゲらしい革新的なモデルだ。

「腕時計はつかっているうちに傷がつく。それが人生の歴史を刻むというようなことを言う人もいるじゃないですか。でもこの時計は傷がつかない。こういう常識と思われているようなことを覆すのもオーデマ ピゲの魅力。最近は、これをなるべく着けて、本当に傷がつかないかを試しています(笑)」

3本所有しているうち、「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」を多く着けている理由は、「本当に傷がつかないかを試しているんです(笑)」。
革新を生み出す時計ブランド

1875年に創業したオーデマ ピゲ。その145年の歴史は常に革新とともにあった。

「ただ歴史をつなぐのではなく、そこに革新を生み出し、それがクラシックになる。僕もそうありたいと強く思います。レストラン『KEI』の歴史はまだ10年足らず。でもこれからも革新をし続けることで、いつかそれがクラシックと認められるようになればと思います」

小林シェフは、「オーデマ ピゲの時計は、工業製品ではなく“工芸品”」と語り、自らの料理との共通点を語る。

「どちらも生きていくうえで必要なものではないと思います。時間を知るためだけ、お腹を満たすだけの役割ではない。そこにあるのは、心を満たすこと。僕はプロの料理人は料理にメッセージを込めるべきだと思っています。そこからさらにお客様の心を満たし、感動してもらいたいと思っています」

「ただ歴史をつなぐのではなく、そこに革新を生み出し、それがクラシックになる。僕もそうありたいと強く思います」。
フランス料理と時計の進化

オーデマ ピゲの時計に刺激を受けながら、その目は常に未来へと向けられている。

「まずは、すべてのお客様が『いままででいちばんいい時間だった』と思えるような料理、空間をつくっていくこと。そのうえで、次の世代のことも考えていきたい。僕がフランスに来て嬉しかったのは、フランス人のシェフが技術や知識を惜しみなく教えてくれたことでした。だからこそ僕はフランス料理をリスペクトできている。これからも日本から多くの若者が料理人を目指してフランスに来ると思います。自分が素晴らしい経験をさせてもらったからこそ、彼らにはもっと働きやすい環境をつくってあげられればと思っています。それがきっと歴史をつなぐことになるし、フランス料理を進化させることにつながっていくんじゃないかと思っているんです」

三ツ星はゴールではなく通過点。小林圭は、その愛する時計たちと同じように前へ前へと時を進めている。

「時計の傷が人生の歴史というようなことを言う人もいる。でもこの時計は傷つかない。こういう常識と思われているようなことを覆すのもオーデマ ピゲの魅力です」。

小林 圭
1977年生まれ、長野県出身。長野、東京で修行を重ね、1999年に渡仏。南仏やアルザス地方のレストランで経験を積み、パリの「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」へ。2011年、レストランKEIをオープン。翌年、ミシュランガイドフランス版で一つ星を獲得。今年、日本人として初となる三つ星を獲得した。

レストランKEI公式サイト

Produced by

GQ JAPAN

for Audemars Piguet

BACK NUMBER

MY AP STORIES

記事一覧へ

STORE

店舗で商品を見る

  • STORE01
  • STORE01
  • STORE01
お問い合わせ
お問い合わせ