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「ファミリービジネスを永続させるための姿勢を、この時計が教えてくれた」
[ヘルスケア事業]サニーヘルス・西村正弘

2022.05.31

既存の事業にとらわれることなく、先代の父から受け継いだ会社をさらなるグローバル企業に成長させるべくチャレンジを続ける西村正弘さん。高級腕時計にはまったく興味がなかったという西村さんが「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を手にした理由、そしてファミリービジネスを永続させるために得たものとは。

大切なのは、本能に逆らわないこと

「“ダイエット”は本能に逆らう行為なので、簡単ではありません。製品はあくまで痩せるためのツールのひとつであり、食生活、生活習慣の改善など、総合的なアドバイスがあって初めてダイエットに成功することができる。また、ダイエット後のリバウンド防止についても、きめ細かなアドバイスが必要なんです」

1989年の発売以来、世界41カ国での販売実績をもち、国内だけでも累計380万人以上の愛用者を誇るサニーヘルスの「マイクロダイエット」。そんなダイエット食品を看板商品として掲げる企業の2代目社長・西村正弘さんの口から、「ダイエットは本当に難しい」という言葉が出たときは、少なからず面食らった。

「一時は他メーカーから安価な類似製品が発売された時期もありましたが、ほとんどのメーカーが撤退し、弊社のようなロングセラーのみが生き残っているのが現状です。これまでさまざまなダイエット方法が生まれては消えていきました。間違ったダイエット法は命を危険にさらすことにもつながるので、営利目的だけで参入するべきではありません。

弊社のマイクロダイエットは通信販売のイメージが強いかもしれませんが、実は大学病院やクリニックなどの医療機関でこれまでに1000施設を超える取り扱い実績があり、大企業向けの保健指導なども含め、幅広い場面で活用いただいてきました。今後もグローバルブランドとして、世界の肥満問題解決というより大きなテーマにチャレンジしていきたいと思っています」

無理が生じて続かなかったり、かえって健康を害してしまっては本末転倒。そんな姿勢は、モダンエグゼクティブとして日々時間を意識した生活を送る西村さんの、ワークライフバランスに対する考え方にもつながる。

「“本能に逆らわない”ということ。多くの経営者も同じだと思いますが、私には『何時から何時まで仕事をしたら終わり』というものがありません。『仕事が趣味』という経営者も多いように、一般的に言われる仕事とプライベート、オンとオフがきわめて曖昧で、起きている時間はすべて仕事をしていると言っても過言ではありません。経営者や起業家は常に新しいことにチャレンジすることが仕事なので、苦痛どころか喜び勇んで仕事をします。

ですが、その結果として睡眠時間が短くなったり、食事する時間を惜しんで熱中することはよくある。ただ、これではいつか体を壊してしまうので、自身でワークライフバランスをコントロールする必要があります。コントロールするといっても『睡眠時間6時間以上』『1日3食』などのルールを決めるということではありません。たとえば、睡眠不足が続けば頭がボーっとしたり夕方から眠くなるので、眠いと思ったら早めに寝る。また朝食や昼食を抜いていればお腹が空くので、早めに夕食をとる。決められた業務をこなす、いわゆる“労働”だと長続きしないし、体と心がもちませんから」

身に着けて楽しむだけでなく、学びが得られる時計

そんな西村さんが現代的なエグゼクティブたるゆえんは、ビジネスにおける装いにも表れている。スーツを着用するのは来客があるときなど重要な場面のみ。普段はTシャツにカジュアルなジャケットといったスタイルで出勤することが多いという。そんな趣向も一因となり、数年前までは高級腕時計にまったくと言っていいほど興味がなかった。

「時間はスマホで見られるし、貴金属に革ベルトといった高級腕時計はスーツに合わせるものというイメージがありました。私はかしこまった服装、雰囲気が苦手で……。『必要なものだけあればいい』という自身のミニマル志向や、あまり目立ちたくない性格なのもあって、アクセサリーはもちろん腕時計も着けたくないと考えていました。

でも2020年、普段からよく視聴しているYouTubeのファッションチャンネルで『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ』が特集された動画を見たのをきっかけに、初めて高級腕時計というものに興味をもったんです。そこに出演されていた、数々のメンズ誌の編集長を歴任されてきた戸賀(敬城)さんの『Tシャツにも、短パンにも合わせられる』という言葉がとても印象的で、確かにカジュアルにも合わせやすいデザインだと感じました。クラシックな腕時計もこの『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ』も、革ベルトの貴金属腕時計であることに変わりはないことに気づき、とても興味深かったのを覚えています。

ただ、身に着けて楽しむという魅力だけであれば、購入には至らなかったと思います。世代を超えて永続的に生き続けることや、ファミリービジネスを繁栄させるためのより深いインサイトが得られること。そして同じファミリービジネス企業として親近感がもてたこと、高級腕時計メーカーの威厳はもちろん、柔軟さも併せもった姿勢など、さまざまな視点で総合的に検討した結果、購入しようと決めました」

西村さんが選んだのは、ホワイトゴールドとピンクゴールドを組み合わせたケース、そしてサンレイ模様のスモークグレーラッカーダイヤルが美しい「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」。仕事の服装はモノトーンが多いこともあり相性がよく、主にビジネスシーンで着用することが多いのだとか。

「プレーンな単色のダイヤルより、光の強弱や環境でダイヤルの色が複雑に変化するところに魅力を感じました。またコンビカラーのケース、特にピンクゴールドの使い方がさりげない上品さを醸し出しているところもポイントでした。『ピンクゴールドは目立ち過ぎるのではないか……』とも思いましたが、実際に身に着けてみるとまったく派手ではありませんでしたね」

ファミリービジネスを永続的に繁栄させるために

ファミリービジネスを永続させるためには、どうすればよいのか。2代目社長に就任した2016年以降、それを常に考え続けているという西村さん。

「世界中のファミリービジネスの成功例を研究していたので、オーデマ ピゲが長年続いている高級時計メーカーであることは知っていましたが、その歴史を掘り下げて調べることまではしていませんでした。先ほどお話したYouTubeのファッションチャンネルの動画を契機に、オーデマ ピゲのホームページで公開されているムービー『時計のはなし』シリーズを視聴し、『ファミリービジネスを永続的に繁栄させるためにはどうしたらよいか』という観点で、さまざまな貴重なことを学ばせてもらいました。

私にとっては趣味で時計を買うという概念はなく、あくまで自身のビジネスに活かせることが重要。この観点から言えば、ほかの時計メーカーから学べるものは限定的です。また、ショーケースに展示されている時計だけを見ていたら、見た目の好みでメーカーを選んでいたと思いますが、ムービーでオーデマ ピゲの歴史、企業理念、手間と時間のかかる製造工程などを知ることで、1本の時計に詰まった本来の価値を知ることができました。今では、オーデマ ピゲほど高い価値のある腕時計はないと感じています」

西村さんはオーデマ ピゲの魅力を、自身が置かれている立場とも重ね合わせて、こう続ける。

「オーデマ ピゲの最大の魅力は、老舗であるにもかかわらず常に新しいチャレンジをしていること。若い層の支持を得ているのもそれが理由だと思います。その時代に合った時計のあり方、デザインを考え続けているので若い層への訴求力が大きい。『ロイヤル オーク』にとどまらず、『ロイヤル オーク オフショア』『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ』が成功を収めているのは、この企業努力の賜物です。私も『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ』がなければオーデマ ピゲに興味をもつことはなかったはずです。時代は常に変化するので、企業も伝統にとらわれずに変化することが重要。老舗になればなるほど、これは簡単なことではないのです」

「サニーヘルス」は西村さんが社長に就任して以来、シリコンバレーのベンチャーキャピタルとパートナーシップを組み、イーロン・マスク氏率いる「SpaceX」を筆頭に成長著しいグローバル・スタートアップ企業への投資を積極的におこない、その規模は現在も拡大し続けている。また、世界共通のテーマであるヘルスケア分野では、癌を早期発見する技術の導入に力を入れるなど、特定の分野にこだわることなくさまざまな事業にチャレンジしている。

「その他大勢の時計メーカーは大手企業の傘下に入ってしまいましたが、オーデマ ピゲは独立性を維持しています。大手の傘下に入るとさまざまな制約があったり、斬新な試みがしづらくなり、あくまで流行を“追う”取り組みしかできず、自社で流行を“生み出す”ことは難しい。ロイヤル オークの成功も、オーデマ ピゲが独自性を保ったからこそ生まれた結果だと思います。

弊社もファミリービジネス企業として独立しているので、一般的な常識にとらわれない大胆なことにチャレンジできる。マイクロダイエットで成長した企業ではありますが、航空機リース事業、太陽光発電事業、ベンチャー投資事業など、特定の分野へのこだわりはなく、ビジネスチャンスがあると判断した新規事業にはすべてチャレンジしてきています。もし参入分野の制約があったら、あらゆるビジネスチャンスを逃していたはずです。

オーデマ ピゲのスイス本社の方の言葉がとても印象的でした。その世代、その世代を担う人たちが新しいものを生み出さないと、ブランド自体が過去のものになってしまう。また2代目、3代目が何も成し遂げられなければ、その人自身も忘れ去られてしまう、と。企業としても、私個人としても、忘れ去られてしまう存在にはなりたくないですから」

自分自身で乗り越える力を、子どもたちにも

プライベートで、カジュアルなオケージョンで身に着けることが多いという「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ パーペチュアルカレンダー」は、中学生の頃の原風景が購入のきっかけになったという。

「私が生まれ育った長野県は天体観測の好立地で、中学生のときにヘール・ボップ彗星が話題になったこともあり、よく天体観測をして宇宙に興味をもちました。この時計のブルーアヴェンチュリンダイヤルを見たとき、長野の夜空を体現しているようで親近感を覚えたんです。加えて、永久カレンダーがファミリービジネスの永続性を象徴しているようで魅力を感じた。『これは自分のための時計だ』と思わずにはいられませんでした。

中学卒業後、長野の高校に行くか、東京の高校に行くか、またはイギリスに留学するかという選択があったとき、先代の父からひとつだけ言われたのが『一番、苦労すると思う道を選べ』ということでした。それで私はイギリスを選んだわけですが、あまりに大変だったので最初は正直、後悔しましたね(笑)。

ビジネスにおいても過去の栄光にすがって仕事をするほうが楽ですが、それでは成長することも、新しいことを生み出すこともできません。常にチャレンジする心をもたなければ、革新し続けることはできません。もちろん人生において難しい局面は必ず訪れます。でもそれを自分自身の力で乗り越えられる力を養っておく必要があるのです。自分の子どもたちにも、それを伝えていかなければならないと思っています」

最後に、西村さんの“夢”は何かと訊ねてみた。

「宇宙に行ってみたいです。私は飛行機に乗るのが毎回楽しくて、大空に飛び立っていく感じがとても好きなんです。まだ見ぬ大きな世界へチャレンジするような感覚、といいましょうか」

本能の赴くままに、常に学び、挑戦し続ける。西村ファミリーには、きっと輝かしい未来が待っているはずだ。

【プロフィール】
西村正弘(Masahiro Nishimura)

1982年生まれ、長野県出身。中学生時代に地元で開催された長野オリンピックに刺激を受け海外留学を決意し、イギリスの高校、アメリカの大学へ進学。2016年5月、マイクロダイエット事業、太陽光発電事業などを成功させてきた創業者である父のあとを受け継ぎ、「サニーヘルス」2代目社長に就任。就任後はアメリカ・シリコンバレーのベンチャーキャピタルとパートナーシップを組んでベンチャー投資事業を成功させ、直近ではイーロン・マスク氏率いる「SpaceX」にも出資。アメリカ、そして日本のスタートアップ企業に対する投資活動を積極的におこないながら、ヘルスケア分野では癌などの命にかかわる病気の予防に特化した事業に注力するなど、革新的な技術を社会に還元できるような幅広い事業を展開している。プライベートにおいては6歳の長女、4歳の長男のよきパパでもある。

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