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偶然性と作為性を融合し、陶芸の再解釈に挑む孤高の作家【奈良祐希インタビュー】

2021.12.23

金沢で350年以上続く茶陶の名門に生まれ、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻を主席で卒業した奈良祐希は、陶芸と建築の世界をボーダレスに行き来しながら、これまでにないアートの形を発信し続けているアーティストだ。大小スケール感の異なるクリエイションを通して、奈良が捉えようとしている真理とは?

奈良祐希スペシャルインタビュー

こちらは動画でお楽しみいただけます。

大樋焼本家の長男として、ゆくゆくは11代続く大樋長左衛門の名跡を継ぐ定めにある奈良だが、彼が生み出す陶芸作品は、朴訥で暖かみのある伝統的な大樋焼とはまるで似ても似つかない。むしろ一見すると、その鋭利かつモダンな様相は、陶芸における既存の価値観を真っ向から否定するかのようにも見える。さらに無数のパーツが織りなす幾何学的な構造は、何やら意志を持った未知なる生物が怪しく蠢動する様を想起させ、対峙する者に少なからず緊張感を覚えさせるほどだ。

「建築における一番の醍醐味は、自分の意思で線を引く、すなわち設計するということ。一方陶芸では、むしろ線を引かずに、土と触れ合いながら、無意識のまま導かれるように形を作っていくことに醍醐味があります。僕は意図的な建築に無意識の偶然性を、そして無意識の陶芸に設計の作為性を、双方の要素を逆流させることによって、本質的な融合を実現したいと考えています」

大樋焼のルーツとなる樂焼は、小さな窯で高温を発生させる、刀剣作りの技術との出会いによって生まれたと言われている。奈良は、その伝統を否定するかのようにも見える前衛的な試みの先に、陶芸と建築、双方の未来をしっかりと見据えている。

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